どうも、私は東京の賃貸物件に住んでいます。かれこれ10年は同じ部屋で暮らしている状況ですね。
今回は皆さんが、私のように長く住みたくなるお気に入り物件に出会えるコツを実際のエピソードを交えて紹介していきます。
記事の内容
お気に入り物件に出会い10年暮らす私、物件探しの秘訣は…
先日、マンション管理会社の人と話す機会があったんですが、
「〇〇さんとは長いお付き合いをさせていただいて…」
というやり取りがあり、「あぁ、10年も住めば当然この物件じゃ古株だよな…」と感じた次第です。
確かに東京という土地柄もあるでしょうが、シングルサイズの賃貸物件なんて2~3年のうちに引っ越してしまう居住者なんてざらにいます。
もっとも私自身、仕事の転勤があるわけでもなく、数十万円かけてわざわざ他の物件へ引っ越すなんて、特に理由が見当たらないんです。何だかんだ、今の物件をすっかり気に入っています。
しかし、思えば、この物件に辿り着くまでは決して平坦な道のりではありませんでした。不動産屋を訪問して部屋を探すもなかなかうまくいかない、納得できない…。
その一方で、今のお気に入りの物件に出会えたのは、決して偶然ではなく然るべきプロセスを踏んだからだと確信しています。
おそらく、いつの日か他所へ引っ越さなければならない時がやってきたとしても、きっと同じような方法で賃貸物件を探し、再び自分に合った部屋に巡り合えるというレベルで自信に満ち溢れています。
(苦労しつつも)物件探しで私が成功したノウハウを公開
そんなわけで、私が実際に賃貸物件を探した経緯、そして苦戦しながらも最終的には良い物件に至った方法やノウハウを、なるべくわかりやすく具体的に皆さんに伝えていきたいです。
「近々上京して賃貸物件を探す予定がある」
「以前不動産屋に物件を紹介してもらったけど失敗した」
といった人たちもぜひ参考にして、今後の機会に有意義に活用してもらえたらと思います。
ちなみに、賃貸不動産事情は、相場や商売慣習を含め日本全国津々浦々少なからず異なっている可能性があります。
しかも、あくまで私の実体験に基づくレポート・見解ですので、東京全ての不動産店舗に100%当てはまるとは言い切れません。
そういった点はご了承の上で、興味を持って読んでいただけたら幸いです。
待望の好みの物件探し。店頭・メディアの掲載物件には1度も出会えず…!?
10年ほど前、私は知人の所有する中野区の木造アパートに居ました。東京で職に就き、とりあえず住居を決めたかった私は、一旦知人の物件にお世話になり、2年程そのアパートで過ごしている状況でした。
その後、時間的にも経済的にも少し余裕ができた私は、いよいよ自分好みの賃貸物件に住みたいという欲にかられて部屋探しをスタートさせたのです。
個人的に、特に何日までに必ず部屋を決めなければならないというリミットがあったわけではありません。
そこで、暇な時に不動産情報のフリーペーパー、賃貸物件募集情報が検索できるWEBサイト、さらには不動産店舗の店頭広告などを眺めながら、興味のある物件が掲載されていないか地道に探し求めました。
当初から、新宿区の某エリアに住みたいという希望は定まっていたので、もっぱら該当エリアやその最寄り駅に関する情報に絞ってリサーチ。
そうして、店頭で興味深い広告があった際は、その場で店舗に入り確認し、雑誌やWEBサイトで良さそうな物件が見られた時は、担当店に電話で問い合わせました。
あいにく、媒体に掲載中の物件は残っていませんでしたが、条件の近いものを紹介してもらおうと、何ヵ所か不動産屋を訪れ、多い時は1日で4つの物件を内見して回りました。
その結果、希望エリアを見て回るもなかなか満足できる物件はなし。
もちろん妥協すれば住めなくもないレベルでしたが、特に引っ越しを急かされる状況ではないため、いつかより良いものが見つかればいいなという気分で構えていました。
ただ1点、どうも気になり始めたことがあったのです。
それは「店頭・賃貸メディアに掲載中の物件、結局1度も紹介してもらえたことがない??」という事実でした。
掲載物件がなかった理由を振り返ると、当然「これはもう他の人で決まってますね」と言われるケースがほとんど。
ただ、中には「そんなことより、別のおすすめで…」と掲載物件の有無を濁すような対応をしていたスタッフもいました。
「何かおかしい、違和感がある。」
「そもそもどっちが選んでる立場?」
比較的人を信じやすい私でも、不動産屋に対して疑いの気持ちが芽生えつつありました。
「掲載物件なんてあるがわけない」の衝撃
そして、私にもようやく転機が訪れます。媒体に掲載中の魅力的な物件を不動産屋に問い合わせたところ、ついに「あります。」という返答をもらえたのです!
その時は本当に「ついにキター!」という解放感に満たされました。「妥協しないでよかった、粘ったかいがあったんだ」と。
胸を躍らせつつ、該当物件の資料を持ってきたスタッフから話を聞くと…
どうやらその物件、かなり契約ルールが特殊な案件だったようです。10年以上前なので正確な内容は覚えていませんが、携帯電話購入時に違約金を伴う2年縛りルールがあるような「やっぱり止めておこう」と決意せざるを得ない特異な事例でした。
「オーナーさんの希望でこういう形になってまして…」と話すスタッフの声を聞きながらも、とにかくガックリ肩を落とす私。
「せっかく掲載物件が空いてると思ったのに…」と意気消沈していると、そんな私の一連のやり取りを見ていた男性が口を挟んできます。
その男はこの不動産屋の社長らしく、
その後彼は、約5分~10分にわたり、賃貸不動産屋のいわゆる裏事情的な話を一通り私に伝えてくれました。
要は、不動産情報誌などの媒体に上がっている情報は、ユーザーの目に届く時点で完全に古くなっているということです。
せっかくなので私からも質問
あ、余り…。余り物を必死になって比較検討していたと思うと、何とも滑稽というか虚しいというか。
さらに、掲載広告の中にはいわば釣り広告のようなものが含まれることもあるようです。さすがに悪質な印象を受けますが、店舗側は既に物件がないことを承知の上で敢えて店頭や媒体に掲載するケースがあると。全ては客(カモ)を店舗に呼び込むために…。
確かに、過去の不動産屋スタッフの対応を振り返ると、残念ながら一部思い当たる節があるなぁと感じてしまいました。
メディア情報は無視で、本当に新鮮な物件情報で部屋探しするための方法
その社長が言うには、
どうして社長がこういう提案をしたのかというと、当日不動産屋に入る最も新鮮な物件情報の中から、希望に近いものを効率良く選定し、スムーズに内見に向かってもらうためです。
さすがに「全部見せろ」というのでは不動産屋としてもお手上げなので、
『特定の条件下で、最も新鮮な物件情報をできる限り提供してもらう』
この方法で理想の部屋探しに臨むことになりました。
優先事項以外はバッサリ切り落とせる勇気を
この方法の成否を分けるポイントは、(特に家賃10万円以下の単身物件を探す場合、)優先希望条件以外をいかに潔く切り捨てられるかという部分でしょう。
例えばあなたが、「バストイレ別・面積〇平米以上・南向き」と譲れない条件を3つ指定したとします。
にも関わらず、いざ候補物件を選び始めた途端、「やっぱり角部屋で…」「築浅の方が…」とさらに別の条件を持ち出しているようではらちが明きません。物件情報を選別してくれる不動産屋スタッフからも「わがままだな…」とマイナス印象を持たれてしまいます。
情報選別は最低2人での共同作業になるので、双方がルールを守って取り組むことが重要です。
リストに忠実に物件情報を選別、室内見学は4部屋中2件で納得!
さて、私が実際に優先条件として伝えた内容は、「日当り・鉄筋鉄骨系(木造以外)・築10年以内」そして、次点の要素として「できれば高層・中層階」です。
それ以外の条件は全く気に留めない程の決意で臨みました。その他、家賃の目安を伝え、南北のラインで連なる3駅を最寄り駅候補で指定しました。
ここで一旦整理します。
【私の希望している物件条件】
- 家賃予算(管理費込の月額):8万5千円
- 最寄り駅候補3つ:A駅・B駅・C駅(いずれも新宿区の同エリア)
- 指定優先条件:1.日当たり良好 2.鉄筋鉄骨系(木造以外) 3.築10年以内
- 次点の優先ポイント:できれば高層・中層階(1階2階以外なら資料に目を通す)
膨大な最新物件情報の中から、上記リストを基準に店舗スタッフが一次選抜し、さらに私が気に入ったものを最終選考するという手順で進めます。
最も惹かれる物件情報を4つまで絞れたら、その4ヵ所を見に行って、本当に住みたい部屋か現地で確認を行います。
結果、この日資料を選んで室内見学した4部屋のうちの2ヵ所については、「実際に住んでみたい部屋」と納得することができました。余程しっくりくる物件と感じたのでしょう。
私はその2部屋を比較した上で、正式契約する賃貸物件を不動産屋に帰る道中で早々に決めてしまいました。
この方法、明らかに効率が良く精度が高いです。ほぼ半日物件探しに費やす覚悟で臨めば、かなりの確率で満足いく結果になると思えました。
最高の部屋に出会うために、ぜひ覚えておいてほしいポイント
最後に、このやり方で候補物件を選び、不動産屋スタッフとやり取りをする中で、何点か気になること、注意すべきことがわかったので皆さんと共有しておきます。
【1】他人は想像以上に自分の好みを知らない(わからない)
上記の方法では、明確な条件をスタッフと共有しているので、住みたい物件の理想像は9割近く不動産屋に伝わっているように思えるのではないでしょうか。
しかし、実際はそうとも言い切れません。
実は、不動産屋は多くの顧客を相手にしている分、利用者の平均的な好みが頑固な先入観として浸透しているケースが多いのです。
私が最終的に入居した物件情報を出してきた時、不動産屋のスタッフがこう言っていました。
「この物件はたぶん厳しいと思いますが…」
おそらく過去に顧客へ物件資料を提示した際、前向きに反応された経験がなかったのでしょう。
結果的に私が一番納得できる物件だったのですが、店舗スタッフは一次選抜で選びつつも「これは無理だろうな」と内心思い込んでいたようです。
その資料に私が食いついた途端、「この物件、エントランスはすごいですから!」と急に持ち上げ始めたのは笑えました。
【2】予算妥協の提案は基本断る
不動産屋は放っておいても、予算額をちょっと上回る物件情報を紹介してくる傾向があります。また、経験がある人も多いと思いますが、よく決まり文句として「あと1万出せば良い物件が見つかります」と言ってきます。
もちろん、喉から手が出るような物件であれば、予算超えも選択肢としてちらつきますが、少なくとも「1万円以上」の予算オーバーには応じる必要はありません。そこまでしなくても、きっと好みに合う物件は見つかります。状況によっては、5,000円程度の予算追加は決断してよいかもしれませんが。
実は、物件情報を選別中、担当スタッフが予算を1万5千円ほどオーバーする物件を薦めてきた時がありました。
ただし、部屋面積が非常に広く、日当りや見晴らしが良いデザイナーズ物件ということで、値段を上回るコスパの良さは確かに感じられました。過去に電話で問い合わせてきた客もいるらしく、スタッフは「部屋も広くていいじゃないですか」とプッシュしてきます。
ただ、思い出してほしいのは、「部屋の広さ」は自分にとって優先事項に掲げた条件ではありません(広いに越したことはないですが)。
優先事項ではない長所の部屋に予算オーバーで入居したところで、果たして長く住みたい物件と思えるだろうか?
結局、その物件の薦めは断りましたが、数時間後予算に合う好みの物件に出会うことができたので、口車に乗らないで本当に良かったと安堵しています。
【3】競争相手(他の希望者)がいなくても、入りたいと思える物件に決める
こちらも不動産仲介業者の決まり文句としてお馴染みですが、ここ一番での
「今ちょうどこの物件の入居を迷っている方がいらっしゃいます」
という煽り。あるいは、
「このすぐ後に別のお客さんが見に来ます。」
という表現の時もありますね。
私は不動産屋として働いたことはないので、これが本当なのか、駆け引きとして言っているのか確かなことはわかりません。
ただ、私からお勧めしたいのは、「他に希望者がいてもいなくても」入居したいと思える物件を選んでほしいということです。
内見した部屋が「他に希望者がいるからすぐに決めよう」と思える程度ならば、それはまだあなたが「その物件に納得できていない」何よりの証拠です。
そんな気持ちで入居を決めても、不満な点が多数出てきて、おそらく1年も経てばまた引っ越したいと言い出しているのではないでしょうか。
【4】インターネット利用料が無料かどうかチェック
海外と違い、日本の賃貸物件は水道光熱費は入居者が個人的に支払うケースがほとんどです。
それに対し、インターネット料金の場合は、家賃や管理費に含めて負担してくれる物件をたまに見かけることがあります。
インターネット無料物件の家賃は、月8万円の部屋があったとして、生活費でインターネット料金を支払う必要がないため、実質的にその家賃はたったの7万5千円です(ネット代を5,000円/月と仮定)。
インターネット無料はマンション・アパート全体で適用されているケースもあれば、部屋(オーナー)ごとのアレンジで無料扱いになっている場合もあります。
実は、私が入居を決めたのもインターネットを無料で利用できる物件です。ところが建物自体が無料扱いになっていないので、物件資料には意外と目立たなく書かれていた記憶があります。
お得に賃貸物件を借りるにはインターネット無料は注目の案件ですが、意外と地味に記載されている場合があるので見落とさないよう注意してください。
繁忙期は避けるのがお勧め
ここで紹介した賃貸物件の探し方は、物件情報の選別を不動産屋スタッフとの共同作業で進めます。よって、店舗自体が忙しいと「たった一人にそんな時間を割けない」となってしまうので、繁忙期に訪れるのは避けた方が無難です。
逆に、暇すぎると物件の空き自体が少ないという見解もありますが、いずれにしろ国民が大移動をする3月以外で部屋探しをすることをお勧めします。
この記事で紹介した賃貸不動産の裏事情も頭に入れた上で、偽りない最新物件情報の中から理想の住まいを見つけ出してほしいです。