今日、衣類は既製品の方がより安く購入できる時代となり、私たちもそれが当たり前だと思っています。
そもそも、既製品とは各サイズの「標準体型」を基にして作られています。これはスーツも同様であり、スーツの場合だと既製品とはいえ、決して安くはない買い物でしょう。
詳細は下記で説明しますが、私自身はバレーボールを中学~大学まで続けてきて、既製品の概念に囚われていた結果、入社時に購入した数着のスーツをすぐにダメにしてしまいました。
そこで、今回はスポーツマンの方がスーツで損をしないための方法を紹介していきたいと思います。
記事の内容
結論「スポーツマンはオーダーの方が安く済む」その理由
私自身の経験も踏まえて言えることは、スポーツマンはオーダーで仕立てる方がお得であるということです。
なぜなら、以下の理由により既製品を何回も買い替える必要がなくなるからです。
スポーツマンは、それぞれの競技に特化した体型をしている
長いことスポーツをしていると、「そのスポーツに特化した体型」へと自然と成長していきます。
繰り返しになりますが既製品は「標準体型」で作られているため、その体で着るとどこかしらの部分に過度な負担がかかったり、シルエットが崩れてしまったりしてしまいます。
また、量販店に行って既製品のスーツを試着してみて問題なさそうと思っていても、それは立った状態での実感であって、スーツを着てるときの一部分に過ぎません。
しかし、よく考えてみてください。
スーツを着た社会人は、ほとんどが座った状態でのデスクワークとなります。したがって、立った状態ではそこまで不自由を感じなくても、座った状態では不自由を感じることがあります。
私の場合、バレーボールを長いことやっていたため、太ももとお尻が標準体型から異常に発達していますので、特にこれに悩まされました。
その点、オーダースーツはそういった体型の悩みを補正して仕立ててくれるため、シルエットもキレイに見え、生地への負担も少なくなり、結果として既製品よりも長持ちさせることができています。
安い既製品には、化学繊維が多く含まれている
スーツも既製品であれば2万円代で購入することができますが、このような安物に走るのは危険です。
なぜなら、既製品で体型をカバー出来たとしても、安い既製品には化学繊維が多く含まれており、劣化が早いからです。
ポリエステルのような化学繊維は、耐久性が低く使っているうちに特有のテカリが出てきてしまい、みすぼらしい見た目になってしまいます。
化学繊維の含有量にもよりますが、早いものだと2~3年でテカリが出てきてしまいます。
また、上述の体型の問題から、股ずれなどが起こり、結果的にスーツの寿命が短くなってしまいます。
社会人は、体型が変化しやすい
既製品の最大の弱点として、上下が必ずセットで売られていることです。
すなわち、上着のフィット感で合わせようとするとパンツにしわ寄せが来たり、逆にパンツで合わせようとすると上着に無理が出てきたりと不自由が生じやすいということです。
スポーツマンが既製品のスーツで装う場合、体が特殊なため、少なからず上下いずれかの衣類、またはパーツで不自由が生じる可能性が出てきます。
また、社会人になるとそもそも基礎代謝が低下してきて、スポーツをやっていた頃のようにはいかず、食べたものがダイレクトに体型に響いてきます。
加えて、お酒の席が増えて生活が不規則になってくると、より体型が変化しやすくなってきます。
これらの結果から、最悪の場合、購入した翌シーズンにはもう着れないなんていうこともありえます。
その点、オーダースーツは上着とパンツが別々に仕立てられるため、こういった危険性をより回避しやすくなります。
特に、オーダーのパンツはアジャスターやタックの有無、股ずれ防止加工など、より長く着られるためのオプションが多く存在するので、おすすめです。
賢く・安くオーダースーツを手にする方法
では、実際にオーダースーツをより安く手に入れる方法について、ご紹介していきたいと思います。
パターンオーダーにする
一口にオーダースーツと言っても、その仕立ての方法は2種類あります。
1つは『パターンオーダー』と言って、元となる型から購入者の体型に合わせて補正していく方法で、もう1つは『フルオーダー』と言って、体のありとあらゆるところをこと細かく採寸し、型に落としていく方法です。
より安くオーダースーツを手に入れるには、手間の少ない『パターンオーダー』がおすすめであり、既製品ではできない上下のサイズ違いも解決することができます。
採寸の際に、自身の体の特徴やコンプレックスをテーラーさんに適切に伝えると、より自身の体型に合ったスーツを仕立てることができますので、この手間を惜しんではダメです。
生地はウール100%を選ぶ
素材は妥協せずに、ウール100%にしましょう。
特に、産地で言えばイギリス産のウールはイタリア産と比較して、耐久性も高いためおすすめです。
虫食いだけ注意していれば、長い目で見るとウール100%の方が劣化しにくく、より長く着用することができます。
生地持込みで仕立ててくれるテーラーを探す
高いイメージのオーダースーツをより安く手に入れるためには、ご自身で購入された生地を持ち込みで仕立ててくれる「テーラー」を探すことです。
このコロナ禍で廃業された呉服店の生地や親族の遺産整理で出てきた生地が、ヤフオクには数多く出品されており、隠れた名品生地を安く手に入れることができます。
数は少ないですが、生地持ち込みで仕立ててくれるテーラーさんもいらっしゃいます。そのお店で依頼すれば、落札した生地代金+既製品と同じ程度の仕立代金で、オーダースーツを手に入れることができます。
しかも、そういったお店は持込み生地というリスクあるものも扱うことができる高い技術力を持っており、品質も安定しています。
また、シルエット以外にも裏地などの細かい要望にも丁寧に答えてくれる場合が多く、『こだわりの一着』を手に入れることができます。
例えば私の場合は、東京都江戸川区にある「テーラーフジヤ」というお店が、生地持ち込みで仕立ててくれて、店主も気さくで技術ある方で大変、おすすめです。
画像のスーツは、テーラーフジヤさんで実際に仕立てた一着の写真です。
こちらはフランスのメーカーで、イギリススーツ用生地の『ジャンパトゥ』というものをヤフオクで3,000円で落札して、3.9万円で仕立てたものです。
特に、裾の補強に生地のネームのところを使ってもらってるのが私なりのこだわりです。
オーダースーツの方が長い目で見れば経済的
スポーツマンは「競技に特化した体型」であるため、「標準体型」の既製品のスーツでは買い替えスパンが短くなってしまい、むしろ不経済であることをご紹介してきました。
そのため、オーダースーツの方が長い目で見ればむしろ経済的であり、そして賢く・安くオーダースーツを手に入れるためには、次の3つのポイントを抑えておきましょう。
- パターンオーダーにする
- イギリス産ウール100%の生地を安くオークションで落札する
- 生地持込み可能なテーラーで仕立てる
自分の体型に合った唯一無二のスーツは着心地が抜群であるとともに、愛着が湧くことで10年以上、ものによっては一生物のパートナーとなります。
この機会に是非、実践してみてください。