この記事では、解雇予告手当の請求方法や支給される金額の計算方法、請求しても振り込まれないときの対処法を解説しています。
これは去年5月に勤めていた会社を突然解雇された私が実際に請求した方法ですが、最終的に21万円ほど請求できましたので、参考になれば幸いです。
※解雇予告手当の説明が不要な方はこちら
記事の内容
会社が従業員を解雇するときのルール
会社は従業員を解雇しようとする場合、最低でも30日前までに伝える義務があり、解雇日よりも前に解雇を伝える行為を解雇予告と言います。
これは突然の解雇によって従業員が生活に困らないようにするために労働基準法で決められており、解雇予告した日から解雇までの日数が30日未満の場合、会社から従業員に支払う金銭のことを解雇予告手当と言います。
30日以上前に会社が従業員に解雇を伝えていた場合は支払い義務は発生しませんが、そうでない場合は、その日数に応じた金額を支払わなければなりません。
解雇予告が貰える人と貰えない人
解雇予告手当が貰えるのは正社員だけだと思われがちですが、派遣社員やアルバイト・パートで雇われている人も受け取れます。
また、入社したばかりで試用期間中だったとしても、14日以上働いていれば解雇予告手当の支給対象者となります。
逆に、以下に当てはまる人は支給対象外です。
- 日雇いアルバイト
- 14日未満の試用期間中の人
- 2ヶ月以内の雇用期間を定めている短期アルバイト
- 季節業務で4ヶ月以内で雇用されるアルバイト(夏休み・冬休みのリゾートバイトなど)
- 支給対象だったとしても、遅刻や無断欠勤が多かったり、窃盗などの犯罪行為をしていた人
解雇予告手当はいつ貰えるの?
解雇予告手当は、基本的には以下のいずれかのタイミングで支給されます。
- 即日解雇された場合は、解雇されたその日
- 30日未満の日数で解雇予告された場合は、解雇を伝えられた日
※最後のお給料に解雇予告手当が含まれていることも多いです
もし最後の給料日を過ぎても解雇予告手当の支払いがなかった場合は、必ず会社に請求をしましょう!
解雇予告手当の請求
解雇予告手当の請求をする場合は、『解雇予告手当請求書』を作成します。
解雇予告手当請求書は労働基準監督署に行けばフォーマットがあるので簡単に作成できますが、ネット上でひな形をダウンロード、印刷して使用もできます。
ちなみに労働基準監督署にはそれぞれ管轄区域があり、職場のある地域が管轄になります。例えば住んでいるのが渋谷区で職場が品川区だった場合の管轄は、品川労働基準監督署になります。
そして担当部署は監督課になるので、電話や訪問をする際には間違えないようにしましょう。
解雇予告手当請求書の書き方
これは実際に私が解雇予告手当を請求したときに使ったものです。
解雇予告手当請求書には、画像にあるように、
- 作成日
- 会社名と社長名
- 自分の住所と名前
- 解雇予告された日と解雇日
- 解雇予告手当を受け取っていない内容
- 請求金額と平均賃金
- 支払期日
- 振込口座
これらの内容を記入します。
支払期日は、請求書を作成した日から10日後です。
そして忘れずに捺印とコピーをして、手当が支払われるまで保管しておきます。
解雇予告手当の計算方法
(※注)解雇予告手当を請求するにあたって、請求金額の計算方法を記載しますが、計算を間違えると支給される金額が変わってしまうことがあるので、不安な方は労働基準監督署に行くことをお勧めします。
なお、解雇予告手当には最低保証額(計算1)が設定されています。
日給制や時給制の人は計算1の方法だと金額が少なくなってしまうことがあるので、計算1と計算2の金額の多い方を解雇予告手当として請求してください。
- 計算1.「解雇予告直前の賃金締め切り日までの3ヶ月間の賃金総額」÷「3ヶ月間で働いた日数」×「60%」
- 計算2.「平均賃金の1日分」×「解雇日までの日数が30日に足りなかった日数」
平均賃金の1日分は、「解雇予告日直前の賃金締め切り日までの3ヶ月間の賃金総額」÷「3ヶ月の総日数」で計算します。
賃金総額は、交通費・残業代・役職手当などの各種手当を含めて計算しますが、労災や出産育児介護などで休んでいた期間の給与や賞与は含んではいけません。
※休んでいた期間は総日数にも含まれません
若干複雑でめんどくさい計算なので、正直自分で調べて計算するよりは労働基準監督署に行って聞いた方が早いと思います。笑
請求書の送り方
解雇予告手当請求書を送る時ですが、基本的には簡易書留で送るようにしましょう。
送料は基本運賃+320円かかりますが、受領証と領収書をくれるので、発送した証拠として、必ず入金が確認できるまで保管しておきます。
実際私は、振込期日を迎えても入金が確認できず、労働基準監督署に証拠として提出しました。
支払期日を過ぎても入金されない場合
解雇予告手当請求書を送ったにもかかわらず支払いがなかった場合、労働基準監督署が指導・あっせんを行ってくれます。
指導・あっせんをして貰うためには労働基準監督署へ直接行き、申込書に記入をします。申込書には入社日、業務内容、解雇日、解雇理由などいくつか項目があり、私はわかる範囲で書きました。
もし解雇理由がわからない場合は、会社に『解雇理由証明書』の発行をお願いしましょう。
解雇理由証明書は、会社は従業員に請求されたら必ず発行しなければいけない(発行しない場合は労働基準法違反になる)ものですが、請求されなければ発行する必要はないので、解雇予告や解雇のときには基本的には渡されません。
請求しなければ離職票や源泉徴収票と一緒に送られてくることもないので、必要だと思ったら自分から請求しましょう。
労働基準監督署に指導・あっせんして貰う場合
私が実際に申込書を記入した時には、指導・あっせんをするための材料(証拠)として、
- 入社時契約書
- 給与明細書
- 解雇予告手当請求書
- 簡易書留の領収書と受領書
- 社長との送受信メールを印刷した紙
以上のコピーを提出しました。
私の場合は解雇理由がメールに書かれていたので印刷して提出しましたが、解雇理由証明書のある方や録音のある方は、そちらを提出します。
先にも書きましたが、解雇予告手当は自分に非がある場合は貰えません。なので、自分に非がないことが証明できるものがあれば、何でもいいのですべて提出しておくことをお勧めします。
申込書と証拠材料を提出して数日すると、指導・あっせんの担当者が決まり、今後一切の会社とのやり取りすべてをその担当者が行ってくれます。
担当者が会社とコンタクトを取った後は、入金を待つだけです。
もし担当者が会社に指導を行ったあとでも支払いがない、もしくは支払われた金額が請求金額に足りていないことがあれば、すぐに担当者に連絡をしましょう。
私は後者でしたが、全額支払われるまでしっかりと対応していただけました。
突然解雇されても泣き寝入りしないようにしましょう!
私と同じように会社を突然解雇されてしまったら、まずは解雇予告手当の支給対象かどうかを確認をしてください。
もし分からないことがあれば、解雇に関するトラブルは基本的にすべて労働基準監督署で無料で相談できます。電話をして解雇された経緯や状況を伝えるだけでも、解雇予告手当が貰えるか答えてくれます。
もし支給対象で給料日になっても解雇予告手当の支払いがない場合は、すぐに会社に請求をしましょう。
私は解雇されてから2ヶ月かかりましたが、全額支払われました(`・ω・´)
ちなみに、解雇予告手当を貰うということは解雇を受け入れるということなので「こんなの不当解雇だ!絶対に辞めないぞ!訴えてやる!」という場合は、解雇予告手当が貰えないので気を付けてください。